ワーホリ出発を間近に控えていた方、またはワーホリ参加を検討していた方は、新型コロナウイルスの影響によって、さぞ重大な選択を迫られていることでしょう。
今回は、ワーホリ経験者でもあるMoose(ムース)が、現在のトロントの様子と共に、これからトロントへワーホリへ来られる方へ知っておいてもらいたい事をお伝えします。
現地在住10年以上だからこそわかる、トロントニアンが今直面している経済問題が、どのようにワーホリで来られるあなたに影響するのかを実例もふまえてお伝えします。
せっかくの楽しいワーホリを成功してもらいたい、というMoose(ムース)の思いが伝われば嬉しいです。
トロント周辺地域のコロナウイルスによる影響
2021年2月現在、入国規制が変更され条件を満たしている学生ビザ・ワーキングホリデービザ所持者は入国できます。
詳しい条件はカナダ政府サイトを確認してください。
2020年3月21日10月23日時点では、日本および諸外国からカナダを訪れる外国人は、入国制限のため入国ができません。また、この措置は現状では期限が提示されていないため、いつまで続くのかわかっていません。
しかし、カナダ国内では州による非常事態宣言の延長など、コロナウイルスの影響が色濃くでています。
トロントのあるオンタリオ州では、2020年3月17日に非常事態宣言が発令されており、以下の政策がとられています。(滞在している州によって政策が異なります。)
- 映画館やジムなど屋内レクリエーションプログラムを提供する全施設の閉鎖
- すべての公共図書館の閉鎖
- デイケア(認可託児所)の閉鎖
- すべての私立学校の閉鎖
- レストランやバーの営業制限(テイクアウトと配達のみ許可)
- 50人以上が集まるイベントなどの禁止
上記の政策は、2020年3月31日まで有効ということですが、ウイルスの蔓延具合によっては、延長の可能性もあります。
また、上記の政策以外にも国からの要請として、「不要不急の外出を控える」や「海外からの帰国者は14日間の自主隔離要請」なども追加されます。
トロントへワーホリに来る人への影響
トロントへワーホリへ来られる方が受けるコロナウイルスの大きな影響は、3つ挙げられます。
それは、仕事・時間・対人関係です。
それぞれについて以下で詳しく説明しますので、しっかりと理解したうえで、2021年度のワーキングホリデーへ参加するのが自分にとってのベストかどうかを検討してもらいたいと思います。
仕事への影響
この項目が、2021年度ワーホリ参加者の方に1番考えて頂きたい項目です。
- 通常よりも仕事がなかなか見つからない可能性
あなたは、仕事が長期間見つからなくても生活ができるほどの貯金がありますか?
ワーキングホリデーへ参加される方の目的はもちろん人それぞれだと思いまがすが、ほとんどの方は現地で仕事を見つけて、働きながら言語を学んだり文化の違いに触れたりしたいと思っているはずです。
正直なところ、ワーホリ参加者が獲得できる仕事というのはかなり限られてきます。
理想で言えば、カフェのバリスタでしょうか。
または、ホテルの受付やアパレル販売員も人気ですね。
通常でもこれらはの仕事はかなり倍率が高く、英語でスムーズに意思の疎通ができないとまず、お話になりません。
英語を話すことに苦手意識がある方は、ホテルの清掃員やレストランの食器洗い・調理スタッフという道もあります。
みなさんもご存じの通り、ワーホリでの職探しは誰もが通る洗練です。
第二言語というハンデを背負いながら行う職探しはなかなか厳しいものです。
その厳しい職探しが、コロナウイルスの影響でさらに厳しくなることが予想されます。
理由は、オンタリオ州の非常事態宣言。
この宣言によって現在、ほぼすべてと言っていいほど、ワーホリ参加者が仕事を獲得しやすい就職先である個人経営のカフェやネイルサロン・レストランやバーが営業危機に陥っています。
万が一この事態が長引けば、経営困難による閉店を余儀なくされるでしょう。
トロント市内では、飲食店のみならずネイルサロン・スポーツジムの受付・ホテル関係・空港関連の仕事が、職員の一時解雇を余儀なくされています。
一時解雇されたトロントニアンは、失業手当を申請してこの経済危機を乗り切ろうと頑張っています。
しかし、現実は家賃の高騰などさまざまな原因により、失業手当のみでの生活は厳しい状態です。
このように、カナダ人ですら一時解雇されている中、英語が第二言語のあなたがこの就職戦争を勝ち抜いて職を手に入れる自信はありますか?
職の獲得は長期戦になるという覚悟と貯金がものをいいます。
厳しいようですが、家賃をしっかり払えるだけのまとまった貯金がないと、家も仕事も無しで帰国しか選択がないという事にもなりかねませんよ。
時間が制限されることによる影響
みなさんは、出発時期がわからないことから生じるデメリットを理解した上でワーキングホリデーへ参加しようとしていますか?
この問題はトロントだけに限らず、すべてのワーキングホリデー参加者に言えると思います。
まず、当たり前ですが現時点では多くのワーキングホリデー参加国への入国ができません。
この問題は時間と共に解決していきますが、今のところ入国制限解除のめどが立っていない国が多いです。
そのため、出発時期を明確にすることができないことによって、いろいろな不具合が発生します。
- 人によっては1年間というワーキングホリデーの期間を全て使うことができない可能性がある
- 航空券にかかる費用増加の可能性がある
- 時間がなくなり予定していた旅行先/目的地に行けなくなる
1番痛手となるのが、せっかくのワーキングホリデーの1年間をフル活用できないこと。
事前に準備していた期間を変更するのは、なかなか難しいですよね。
理由は、復学・求職・家庭の事情であったりと様々だと思います。
しかも、ただ時期を延期するだけでなく、出発時期が未定なので今後の予定などに大きく左右してきます。
あなたの限りある時間は、そこまで融通が利きますか?
よく考えて下さい。
出発前から余計なストレスが溜まりますよね…。
もう1つは、航空券の費用増加の可能性です。
ワーキングホリデーへ参加する方は、ほぼ全員と言っていいと思いますが、事前に片道なり往復なりの航空券を購入しているはずです。
今回のコロナウイルスの影響で、ほとんどの航空会社は発券したチケットのキャンセルや変更を無料で行ってくれています。
しかし、出発時期を決めかねている場合は、日付を指定しての変更が難しいです。
そのため、キャンセルをされる方も多いと思います。
キャンセルの場合、今後新たにチケットを買いなおさなければいけません。
その時のチケットの金額は、運しだいです。
万が一、予定していた予算より高いチケットしかなかった場合も想定していますか?
また、ワーホリついでに訪れようと思っていた近隣の国や地域への旅行も、ビザや時間の関係で断念しなければならない可能性もあります。
現在カナダでは、一部国立公園の入場を禁止しています。
トロントでいえば、CNタワーなども封鎖されています。
このように、観光名所であったりスポットが閉まっているということも十分にありえます。
あなたはそこもしっかりと考慮していますか?
もう1度じっくりと考えてみて下さい。
対人関係
トロントに限らず、カナダは移民の国なのでそこまで酷い人種差別があるわけではありませんが、無いとは言い切れません。
しかしこの度のウイルスの影響で、アジア人が言われもない差別を受けているのは、あなたもニュースなどで見たことがあるはずです。
- ウイルスの影響によるいわれもない差別
- アジア人に対する人種差別意識が高まっている
今後予想される日本人差別の原因となりうるのは、オリンピック開催についての日本政府の対応が考えられます。
少し昔の話になりますが、横浜に停泊していたダイヤモンド・プリンセス号の対応で、職場や電車内、買い物へ出かけていても、あちらこちらから日本への悪口が聞こえてきました。
自国への悪口はあまり耳にしていて気持ちのいいものではありません。
職場でも、日本政府のプリンセス号の対応と結び付けて、「だから日本人は~できないのよ」とかなり皮肉たっぷりに大声で文句を言う人もいました。
もちろんMoose(ムース)個人へ向けた悪口ではありませんが、日本を嫌悪する感情むき出しの言葉というのは、あまり受け付けられるものではありません。
そうでなくても、アジア人嫌悪による差別意識が高まっていることで、英語を理解していないことをバカにし、見下すことに拍車がかかっています。
そんな屈辱的な態度や行動を示してくる人たちを、うまくかわすことはできますか?
言い返せたり、気にしないという自己防衛ができますか?
Moose(ムース)も経験しましたが、差別は予想以上に精神的にきます。
しかも、知り合いや味方のいない慣れない土地でおこることです。
あなたは耐えられますか?
もしくは上手に気分転換ができますか?
そんな低レベルの人間がする行動のせいで、あなたに悔し涙を流してほしくありません。
せっかく頑張っているあなたを踏みにじるような人に負けない気持ちを持って、ワーホリへ来てくださいね。
2021年のワーホリは入念な準備と覚悟が必要
最後までお付き合いいただきありがとうございます。
これを読んでいるあなたは、今までしていたことを一時中断してまで、1年という長い時間を海外で過ごすという選択のために、沢山の時間を割いたことをMoose(ムース)は知っています。
そんなあなたの大切な時間を無駄にしないためにも、ぜひ先ほどの質問にしっかり向き合って、ワーキングホリデーへ参加するかを決めましょう。
- 仕事がなかなか見つからなくても生活ができるほどの貯金はありますか?
- 求職は長期戦になるという覚悟はありますか?
- 突発的に起こる時間的制約にも柔軟に対応できますか?
- 最悪滞在できる期間が短くなっても後悔しませんか?
- 理不尽な悔しいことがあってもやっていく覚悟と根性がありますか?
この記事が、絶対に後悔しないワーホリを経験できる手助けになれば嬉しいです。