【海外在住歴12年が考察】アフターコロナ世界の海外旅行で日本人が気を付けるべき2つの事

海外生活

日本の緊急事態宣言の解除で、海外旅行好きの方は「もう少しの辛抱だ!」とうずうずしていることと思います。

が!

アフターコロナ世界の旅行は、これまでの海外旅行とは少し事情が異なることをぜひ頭の片隅に置いておいて欲しく、この記事を書きました。

海外旅行好きの1人として、皆様の旅行中の安全に貢献できれば嬉しいです。

アフターコロナ世界を旅行するリスク

アフターコロナ世界を旅行する上での4つの大きなリスクはなんだと思いますか?

気を付けていても回避できないリスクから準備をしておけば回避できるリスクまで、北アメリカの現地状況をもとに考察しました。

アジア系の人々に対する人種差別

現在、世界中で露骨になってきているのが、アジア系の人々に対する人種差別です。

残念ながら、中国から感染拡大が始まったというニュース内容や某国の大統領の名指し批判による影響で、中国系の方へのヘイトクライムが相次いでいます。

アジア系住民に対するヘイトクライム実例
  • カナダ・バンクーバーでアジア系女性が通りすがりの男性に突然殴り掛かられる
  • カナダ・モントリオールでアジア系男性が突然罵声をあびせられ唾を吐かれる
  • アメリカ・ニューヨークで帰宅中のアジア系女性が知らない女性からいきなり暴言と唾を吐かれる
  • アメリカ・チャイナタウンの店舗に差別用語を落書きされる

以上の実例は、悲しい事にたったの一部分です。他にも色々な国で同じような被害にあわれた方が沢山いらっしゃいます。

私たちは日本人だから関係ないと思った方、それは大きな間違いです。

なぜなら、アジア圏出身でない人からすれば日本人も韓国人も中国人も一見同じに見えるからです。

日本人の私たちからすれば韓国人なのか中国人なのかは、話している言語などで判断することが容易です。しかし、非アジア圏の方からすればどの国なのか判断するのは難しくなります。

いえ、正直なところ、どの国だろうとどうでもいいのです。

このような人種差別をする人にとっては、アジア系という見かけだけの判断で充分なのです。

酷い人は、「すべてのアジア=中国」と思っている人も未だにいます。

Moose(ムース)
年配の方が本気で言っているのを実際にこの耳で聞きました。

人種差別は、こちらがどう気を付けていても突然思いもよらぬ時に降りかかってきます

アフターコロナ世界の、特に海外旅行では、本当に残念ながら今まで以上にアジア系の人々に対しての偏見が強くなります。

せっかくの楽しい旅行が、このような一部の人の行いで台無しにされてしまう可能性があることを覚えておいて下さい。

ヘイトクライムへの対処法

万が一、そのような事態に遭遇してしまった時の対処法をお伝えします。

ヘイトクライムへの対処法
  • 警察に被害届をだす
  • 気持ちを強くもつ(気にしないようにする)
  • 可能であれば証拠をこっそり録音または録画する

まず、警察に被害届を出しましょう。

言語が分からない国だとつい泣き寝入りをしてしまいがちですが、在日大使館など日本語が通じる機関があるので利用しましょう。

ヘイトクライムは立派な犯罪です!

次に、気持ちを切り替えてなるべく早く忘れるようにしましょう。

Moose(ムース)
被害の度合いによっては、忘れることができない場合もあると思います。

でも、差別をするような人間的に無価値な人が行った行為によって、あなたの大事な時間や人生を台無しにするのはあまりにも勿体無いです。

あなたが悪いわけではないので、自分を責めたりするのはやめて下さいね。

最後は、可能な限りで証拠を抑えましょう。

証拠は重要ですが、あなたの安全の方が大事だという事を強くお伝えします。

携帯のカメラを向けて明らかに録画をすれば、悪意がさらにエスカレートしかねません。

可能な場合のみ、ポケットの中で音声のみを録画する目的でビデオを回したりと、こっそり証拠を押さえるようにしましょう。

自分ではない誰かが被害にあっている場合は、なるべく一人だけで助けに入らないようにしましょう。

大声を出して他の人の注意を集め、みんなで助けましょう。

くれぐれも無茶だけはやめて下さいね。

国別の入国・帰国時の隔離措置

このリスクは、しっかり考慮しておかないとあなたの旅行どころか人生を台無しにしてしまいます。

国によってそれぞれ違う措置が取られていますが、基本的には入国後すぐに観光ができない可能性が高くなるのがこのリスクの問題です。

1か月以上の長期滞在予定で旅行に行かれる方は、そこまで大きな問題ではないかもしれません。

しかし、ほとんどの方は1泊2日~3週間の旅行予定でしょう。

もしそこで、入国後2週間は滞在予定先から出てはいけないとなるとどうしますか?

高い飛行機代を払ってホテルに缶詰めなんて、海外旅行に行った意味が全くもってありません。

黙って出掛ければいいと思った方、それは大きな間違いです。

隔離措置違反による逮捕例
  • ハワイ・新婚旅行へ行ったカップルが隔離せずビーチへ行き最大罰金5000ドル(約54万円)または禁固刑1年の処罰
  • ハワイ・旅行者男性が隔離を拒否し、ホテル側の通報により逮捕
  • 南アフリカ・ウイルス陽性反応の旅行者を殺人未遂容疑で逮捕

このように、規則を守らないことによる罰則は社会的信用やあなたの経済事情にも大きな痛手となります。「そんなルールは知らなかった」主張は基本的に通ることはありません。

また、覚えておいて欲しいのは海外での外国人の主張はよほどのことが無い限り通りません。特にその国の言語が話せず、さらに文化の違う国で逮捕された場合、あきらかに不利になるのは目に見えています。

解決策としては腕の立つ国際弁護士を雇うしかありませんので、よりあなたの懐に大ダメージです。

そんなことにならないためにもルールを事前にしっかりと把握し、余裕のある旅行プランを計画しましょう。

ウイルス陽性反応者と濃厚接触

旅行をする、すなわち沢山の人と接触する機会が増えるということです。

人によっては、自分が感染していることを知らない無症状感染者である場合もあります。

ウイルスに感染していても免疫力が高く症状が現れなかったり、すぐに症状が発症しないことで起ってしまう人的災害です。

これは、どうしようもありません。

「マスク着用」「手洗いうがいの徹底」などの対策しかなく、ワクチンのない現在の状況で完全に防止するのは難しいです。

さらに、世界中の人々が日本人と同じような衛生管理の概念を持ち合わせていないという事も覚えておいてください。

日本で当たり前のように行っている「他人に考慮する行為」は、他の国からすれば非日常行為なのです。

Moose(ムース)
1番の例は、外出時のマスク着用ですね。最近はマスク着用の習慣が世界中で広がりつつありますが、まだまだ日本のようにとはいきません。

海外旅行の醍醐味である、世界中の人々と接する機会。

今はそれがリスクとなっていることを覚えておいて下さい。

フライトキャンセル(事態急変による国境再閉鎖)

最後のリスクは、訪れている国や周辺国の感染状況が変化する事による国境の再閉鎖に伴うフライトキャンセルです。

ワクチンが開発されていない2020年6月現在、第2派の懸念などもあり再度国境封鎖も十分にあり得ます。2021年2月現在ワクチンは開発されましたが、現状は接種が行き届いていません。

多くの国が、国境を閉ざしたままです。

そうなると予定していた飛行機が変更やキャンセルになるなどし、目的地へ移動不可能になります。

結果、せっかく格安で手に入れた航空券ではなく、かなり高い航空券を再購入という事態になりかねません。

カナダ政府の制限をもとに、カナダ国内大手の航空会社は2021年1月末から同年4月までメキシコやカリビアンなど、カナディアンが最も多く行く冬のバケーション地ナンバーワン候補へのフライトを全面キャンセルする事を発表しました。

また、飛行機がすぐに飛ばないという事態も予測しうるので、その間の滞在先の確保も必要になっていきます。

このように、不測の事態が重なり大きな出費となってあなたのお財布を襲う可能性があることを覚えておいて下さい。

フライトキャンセルへの対処法

この最後のリスクについては、事前の準備で十分に回避できる可能性があります。

それは旅行保険への加入を検討することです。

Moose(ムース)も今回のパンデミックで、自分の持っているクレジットカード付帯の旅行保険内容の見直しと確認をしました。

これからの対策としては航空券購入時に保険に同時に入れるか、またその内容についてもしっかり確認する必要があります。

海外旅行保険に加入していて救われた話に興味がある方は2021年海外旅行はどうなる?失敗しない旅行計画の立て方を参考にしてください。

少しでもリスクを回避できるように、どんな内容の保険なのかしっかりとした情報収集を行いましょう。

日本人旅行者として気を付けたい点

日本人旅行者として、アフターコロナ世界での海外旅行をする時に気をつけたい点をまとめました。

マスクの着用

最近マスク着用が浸透してきたので、この点についてそこまで神経質になる事はなくなりました。

これは、この記事の始めにお伝えしたアジア系差別と少し関係があります。

12年以上住んでいる経験から断言します

残念なことですが、特に北アメリカを旅行する際にはまだまだマスク着用に偏見があります。

Moose(ムース)
ヨーロッパ方面も恐らくあると思いますが、住んでいないので断言はできません。ヨーロッパ在住の方でこの記事を読んでくださった方、メッセージや意見など頂けると嬉しいです。

「マスク着用アジア人=保菌者」という悲しい考えの人が存在して、そういった人が人種差別を行っているのです。

カナダ在住12年の体験談
正直、日常生活をする上でMoose(ムース)はマスクを着用しません。(自分が風邪をひいたり花粉症がひどい時は別ですが。)

理由は、周りの白い目が怖いからです。10年以上住んでいても、未だに変わりません。むしろ最近はヘイトクライムに巻き込まれたら嫌だなと思って、マスクを付けない事に対して意固地になっています。

アジア人がマスクをしないという行為は、感染していない事を周りの人に無言でアピールする意味が少なからずあるのが現状です。

実際、すれ違い様になんとなくホッとされたような表情をされたこともあります。

「マスク着用が悪い」とか、「海外旅行中はつけるな」などと言っているのではありません

国によっては、マスクをつけることにどんな意味があるのかを皆様に知っておいてもらいたいのです。

その知識を持った上で、マスク着用をあなたが決めて下さい。

万が一差別を受けても、事実を知っている事で「あぁ、この人たちはその国の長年の偏見でこんな風にジロジロ見てきたり差別的行動をとっているんだな」と理解できます。

理解していることで、差別の対処法である「気にしない」ということが容易になります。

何度も言いますが、差別を行うような無価値な人のせいであなたの大事な時間や人生を台無しにするのはすごく勿体無いです。

なるべく早めに気持ちを切り替えて、前へ進んでください。

反日感情の高まっている国への訪問

残念ながら、コロナウイルスの影響が私たち「日本人」を標的に変えてしまった国も少なからずあります。

その国に住むすべての人が反日感情むき出しで接してくるわけでは決してありませんが、そういった場面に遭遇する可能性は上がります。

なので、渡航前にしっかりとした事前準備と情報収集を行って下さい。

特に観光の中心地以外のローカルなエリアを訪問しようとしている方は特に入念なリサーチをおすすめします。

旅先での素敵な人々との出会いは、あなたの旅の思い出を彩ってくれる大事なポイントです。

せっかくの海外旅行の思い出を台無しにしないためにも、熟考して下さい。

まとめ

長くなってしまいましたが、海外旅行好きの仲間だからこそ知っておいてもらいたい事実を書きました。

海外旅行へ安全に行けるようになるためにも、はやくこの事態が収束して欲しいですね。

でも、収束したとしても多くの専門家が指摘しているように以前の状態に戻ることは難しいかもしれません。

戻らないものを嘆いても仕方がありません。柔軟に頭を切り替えて、新しいルールを受け入れるように努力しましょう。

皆様の海外旅行が、安全で素敵な経験になりますように。