チェコで人気のトゥルデルニークについて絶対知っておきたいたった1つの事

チェコ

日本人観光客の皆様!!声をにして言います。

トゥルデルニークは、チェコの伝統的なお菓子じゃありませんよぉー!!!

ということで、今回は勘違いされている人がたっくさんいるチェコで有名なお菓子・トゥルデルニークについて、ぜひ知っておいてもらいたい事実をチェコ人の友人に代わってお伝えしたいと思います。

トゥルデルニークとは

プラハで食したトゥルデルニーク

プラハで食したトゥルデルニーク

まずはトゥルデルニークというお菓子について簡単に紹介しますね。トゥルデルニークとは、小麦粉がベースのパン生地を、筒状の棒に巻き付けて焼き上げるお菓子です。

仕上げに粉砂糖やシナモン・ナッツ類などのトッピングをふりかけて頂きます。お好みで、チョコソース(Nutellaヌテラ)をたっぷり内側に塗ってもらえます。

チェコ国内の、特に観光客のたくさん集まる中心地をメインに、沢山のトゥルデルニーク専門店を見つける事ができます。

プラハ市内のトルデニーク専門店

プラハ市内のトルデニーク専門店

トゥルデルニークの真ん中にアイスクリームやソーセージなどを詰め込んだアレンジ版トゥルデルニークは、観光客だけでなく現地に住む人達の間でも大人気です。

味やトッピングもお店によって違うので、お好みのお店を探し歩くのも楽しいかもしれませんね。

Moose(ムース)
アレンジ版トゥルデルニークは、日本で売っているクレープと同じような感覚です。

値段

気になるトゥルデルニークのお値段ですが、相場としてはお安いところで50CZK(チェココルナ)から、お高いところではアイスクリームなどのトッピングも込みで150CZK(チェココルナ)程するお店も!!

チェコの生ビール1杯が40CZK(チェココルナ)、レストランでメインのお肉料理を注文しても160CZK(チェココルナ)ぐらいなので、このアイスクリーム入りトルデニーク1つがかなりお高いのがお分かりいただけますでしょうか?

プラハで食したトゥルデルニーク(Trdelník)のアイス詰め

プラハで食したトゥルデルニーク(Trdelník)のアイス詰め

どうしてそんなにお高いのかというと、このトゥルデルニークは私達のような外国人観光客向けのお菓子だからです。

そうと分かってもやっぱり、チェコに来たからにはみんなが夢中になるトゥルデルニークを1度は食べたいと思いますよね?

そんな観光客心をガッチリと掴んだ商売上手な戦略だから、少々お高くてもどんどこと売れていくのです。

トゥルデルニークの真実

沢山の人がチェコの伝統的なお菓子であると勘違いしているトゥルデルニークですが、先ほどもお伝えした通りこのお菓子は外国人観光客向けです。

街のいたる所で見かければつい伝統的なお菓子と思ってしまうのも無理はないですよね。

しかし!!

勘違いしたままではいけません

ここはしっかりと、どうして伝統的なお菓子ではないのか説明したいと思います。

チェコの伝統的なお菓子じゃない根拠・その1

Moose(ムース)がプラハ市内で単独で、チェコ生まれ・チェコ育ちのおばあちゃん方数名にインタビュー(というのは大袈裟ですが質問を)しました。

その結果、「トゥルデルニークって知ってる?」って聞いても、「そんなお菓子、聞いたことないわ。」と一蹴・・・。

家で焼いた事もなければ、食べたこともないそう。

やっぱり、最近になって急に街で流行りだした説が有力です。

チェコの伝統的なお菓子じゃない根拠・その2

トゥルデルニークという焼き菓子は、ヨーロッパのいくつかの国でそれぞれ違う名前で呼ばれているということはご存知でしょうか?

ルーマニアでは「コゾナクル セクイェスク(cozonacul secuiesc)」、スロバキアでは「スカリチキー トゥルデルニーク(Skalický trdelník)」、オーストリアでは「プリューゲルクラプフェン(Prügelkrapfen)」などなど挙げていけばもっとありますが、呼び方が言語によって違うだけで、ほぼ同じ焼き菓子を指しています。

特にハンガリーの伝統的なお菓子として有名な「キュルトゥーシュカラーチ(kültőskalács)」は、姿形もトゥルデルニークにそっくりです。

このことからも、トゥルデルニークがチェコの伝統的なお菓子であると断言する事が難しいのがお分かりいただけると思います。

ハンガリーの伝統的なお菓子「キュルトゥーシュカラーチ(kültőskalács)」は、ルーマニアのトランシルバニア地方に住んでいたハンガリー人に伝わる焼き菓子が起源と言われています。そのため、姿形がそっくりなトゥルデルニークは、ハンガリーが起源のお菓子であるという人もいます。

チェコの伝統的なお菓子じゃない根拠・その3

チェコ人の中にはこの「トゥルデルニーク=チェコの伝統的なお菓子」という勘違いに苛立ちを感じている人もたくさんいるようです。

現にプラハやチェスキークルムロフのお店ではトゥルデルニーク持ち込み禁止マークを入り口のドアにあえて掲げているお店もあるほどです。

チェスキークルムロフのレストラン トゥルデルニーク持ち込み禁止マーク

チェスキークルムロフのレストラン トゥルデルニーク持ち込み禁止マーク

常識で考えて、レストランへ行くのに食べ物を持ち込むのはありえませんが、それならば飲食禁止マークで統一できるはずです。

あえてトゥルデルニークの絵を使うことで、ちょっとした抗議の意味も含んでいるとプラハでバーを経営しているチェコ人の友達が教えてくれました。

プラハのバー トゥルデルニーク禁止サイン

プラハのバー トゥルデルニーク禁止サイン

もちろんトゥルデルニーク禁止サインの背景には、店内にトゥルデルニークを持ち込んでレストランを汚して出ていく心無い人が大勢いたからというのもあります。

しかし、あえて禁止サインにまでするのには、彼らチェコ人の本当の伝統的なお菓子がなんなのかを理解してもらいたいという気持ちもあるのだと思います。

トゥルデルニークは伝統的なお菓子じゃなくても大人気のお菓子である

トゥルデルニークがチェコの伝統的なお菓子ではない理由をいくつか紹介してきましたが、理解していただけましたでしょうか?

ただ、伝統的なお菓子じゃないからといって、毛嫌いしなくてもいいんです。だって人気があるのには理由があるんですから。

トゥルデルニークの製造過程

トゥルデルニークの製造過程

人気の理由としては、目の前で焼き上げてくれるというビジュアル面での訴求と、焼いている際のとっても甘~い香りという嗅覚への訴求、さらに街のいたる所でみんなが持って食べているという点です。

もちろんMoose(ムース)も2回ほど購入して食べましたが、とても美味しかったです。やはり、「みんなが食べている人気のアイテム」と聞くと、さらに食べてみたいと思ってしまう人の心理ですね。

プラハの出店 目の前で焼きあがるトゥルデルニーク

プラハの出店 目の前で焼きあがるトゥルデルニーク

でもそれでも全然いいと思います。チェコへ来た素敵な思い出として食べてみて下さい。ただ、チェコの伝統的なお菓子であるという勘違いをしないで頂きたいというのが、今回の記事を書いた動機です。

真実を分かった上で、美味しくトゥルデルニークをいただきましょう!

もっとチェコの美味しい食べ物を知りたい方はこちらの記事もどうぞ

チェコ料理を5都市食べ歩いて厳選!現地で絶対食べて欲しいグルメTOP10