メキシコにあるヒドゥンビーチをご存知ですか?
紅の豚・ポルコの隠れ家のモデルになったとも言われている、マリエタス諸島にあるビーチです。
色々なサイトを検索しても「1度は訪れたい/行ってみたい」とあるだけで、どれも行き方を詳しく教えてくれません。
そこで今回は、情報ほぼ皆無状態の体当たりで臨んだ、メキシコのマリエタス諸島にあるヒドゥンビーチへの行き方をご紹介します。
イスラス・マリエタス諸島について
ヒドゥンビーチのあるイスラス・マリエタス諸島は、メキシコのプエルト・バヤルタから約38キロ離れた場所(船でおよそ2時間強の距離)にあります。
複数の無人島で形成されているイスラス・マリエタス諸島は、メキシコ政府が保護している国立公園です。
この島は、数世紀前の火山活動によって形成されたと言われています。
メキシコ政府によって軍事利用されていた歴史もあるこの島ですが、2008年にはユネスコ生物圏保護区に指定。
島にはガラパゴス諸島で観察されるアオアシカツドリなど、約90種類以上もの鳥が生息しており「鳥の楽園」となっています。
鳥以外にも、島の周りは15種類ものサンゴやそのサンゴ礁に生息している魚など、たくさんの種類の海洋生物が息づいています。
そんな貴重な海の生態系を、シュノーケリングやスキューバダイビングなどで楽しむことができるのもイスラス・マリエタス諸島の楽しみ方の1つです。
プラヤ エスコンディーダ?プラヤ デル アモール?呼び名の謎
イスラス・マリエタス諸島にあるヒドゥンビーチですが、ネットで見るといくつか名前があがってきます。
最初Moose(ムース)も混乱したので、ここでキッチリとまとめておきたいと思います。
ヒドゥンビーチ(Hidden Beach)はスペイン語直訳で、プラヤ エスコンディーダ(Playa Escondida)と言います。
なので、この呼び名は言語が違うだけで全く同じビーチを指しています。
プラヤ デル アモール(Playa del Amor)という呼び名ですが、こちらも先程と同様、ラバーズビーチ(Lovers Beach)のスペイン語での呼び名です。
では、このプラヤ エスコンディーダとプラヤ デル アモールは同じビーチなのでしょうか?
正解は、同じです。
ヒドゥンビーチ、別名ラバーズビーチといったところです。英語とスペイン語、両言語で同じビーチとその別名を読んでいたので、こんなにたくさん呼び名ができてしまったのです。
ヒドゥンビーチへの行き方
さて、このお目当てのヒドゥンビーチへの行き方ですが、方法はたった1つ。
それは、観光を許可されたボートを所有するツアー会社のツアーに参加する事です。
ですので、個人でボートを借りて自力で行くという事は不可能。
これだけ聞くと、「なーんだ、ツアーに参加するだけでいいんや。」と思いますが、そう簡単にこの隠れたビーチへたどり着くことはできません。
なぜならこちらのビーチ、島に住む生物の保護と環境への配慮から、お目当てのスポットに行ける人数は、1日116人と限定されているのです。
さらに、一隻のボートに15人までしか乗っていてはいけないという決まりもあります。
さらにさらに!!
ヒドゥンビーチ行きへの予約は受け付けておらず、到着順にビーチへの侵入が許可されるので、制限人数に達した時点で入場を打ち切られてしまいます。
追い打ちをかけるようですが、月曜と火曜は観光客用にビーチを開放していません。
そして悲しいことに、天候にものすごく左右されます。
波が高かったり、海が時化っていると、ヒドゥンビーチへの入り口の穴が塞がってしまうため、島内に入る事すらできません。
以上の条件をクリアした時に初めて、プラヤ エスコンディーダへ行くことが出来るのです。
ヒドゥンビーチ観光ツアー選びのポイント
上記に記したように、かなりの条件をクリアしないといけないヒドゥンビーチへの旅ですが、いったいどれくらいのツアー会社が許可を受けているのでしょうか?
プエルト・バヤルタの市内を歩いていると、数えきれないほどの観光ツアー勧誘のセニョール達が寄ってきます。
そうです、実は街中のいたる所で簡単にツアーを見つけることが出来るのです。
が、安心して安いツアーを申し込んではいけません!
ツアー内容をよく確認して下さい。よくあるツアーとしては、マリエタス諸島には行くけれど、ヒドゥンビーチへの上陸はしないというパターンです。
これ、Moose(ムース)も危うく予約しかけてしまいました。
なにせスペイン語話せませんので、「マリエタスアイランド!イスラス・マリエタス!」のみを連呼しながら会話をしていた為、セニョールも「オーケーオーケー!」とツアーのパンフを見せながらいい感じに会話が進んで行ってしまったからです。
気が付いたきっかけは、セニョールがツアーパンフを出して説明してくれている時に、ウェブなどでよく見かける島の真ん中がポッカリと開いた写真をMoose(ムース)が指さしたからです。
でなかったら、絶対気が付いていませんでした。危ない危ない・・・。
ヒドゥンビーチへの上陸込みツアーは、決して安くありません!
大体平均してUS$150~、日本円で約16000円~(2019年10月時点)ほどしますよ!
安いツアーは、内容をしっかり確認するようにしてください。
旅行当時、Moose(ムース)は日本の旅行会社HISがヒドゥンビーチへの現地ツアーのツアーを開催しているのを知らなかったので、現地で予約しました。
2024年7月現在では、どうやらもうHISでは現地ツアーを開催していない模様。
スペイン語&英語のツアーとなりますが、ヒドゥンビーチへ行くオプショナルツアーを見つけましたのでリンクを貼っておきますね。
ヒドゥンビーチツアーの内容
ツアー内容ですが、どこも結構似たり寄ったりです。
例えばこちらのツアー会社Vallarta Aadventuresでは、マリエタス諸島ツアーは2種類用意されています。
エコツアーという安い方が、Moose(ムース)が間違って申し込みしそうになったのと同様の内容となっています。
- コンチネンタルブレックファスト
- 昼食ビュッフェ
- 飲み放題(アルコールも含む)
- カヤックやシュノーケリングの道具
- パドルボード
他のツアー会社も大体同じような内容で、マリエタス諸島周辺の海に停泊して、ウォーターアクティビティをメインに楽しむというものです。
ちなみにどのエコツアーも、環境保護料($90ペソ)や港使用料($28ペソ)は別途支払いとなっています。
次に、お目当てのヒドゥンビーチへ上陸するツアー内容はどうなっているのかまとめました。
- スナック
- ライフジャケットとヘルメット
- 水
- シュノーケリングの道具
エコツアーと比べると、値段が上がったのに内容がかなり質素になりました。
もちろん、環境保護料と港使用料はこちらのツアーでも別払いです。
基本的にどのツアー会社もエコツアー同様差がありませんが、少しだけ違いがあるとすれば、マリエタス諸島周辺のツアーが含まれるかどうかぐらいでしょうか。
船酔いしやすい方へ
ここまで読んで下さっている方はもちろんお分かりだと思いますが、マリエタス諸島へ行くには船に長時間乗船しなければいけません。
冒頭でもお伝えしましたが、マリエタス諸島はプエルト・バヤルタの港から船で2時間強かかります。
これ、片道ですからね(笑)
さらにこの海域、結構波が荒いです!!
豪華客船のような船ならまだ知らず、観光用の船体はそこまで大きくないので結構揺れます。
写真は、プエルト・バヤルタから出発しているツアー会社の船を撮影したものです。
屋形船よりも少し大きいサイズといった所でしょうか、シュノーケリングやカヤッキングの為に停泊していました。
口コミなどでも、酔い止め必須とあったりしたので、屋形船もかなり揺れるようです。
もちろんMoose(ムース)が選んだツアー会社の船もヤバいくらい揺れました。(スピードボートだったのでさらに揺れました・・・。)
プエルト・バヤルタ市内の現地で申し込むツアーのほとんどは、プエルト・バヤルタの港から出発しますので、この波の荒い海を往復する地獄は避ける事ができません。
しかし!!
ご安心ください。
どうしてもそんな長時間の乗船を避けたいという方の為に朗報です。
まずこちらの地図をご覧ください。
地図をみると、マリエタス諸島に近いメキシコ本島の出っ張りみたいな所がありますよね?
そうです!
この場所こそ船酔いしやすい人のメッカ!
Moose(ムース)の探し求めていた船上の時間を極限にまで短縮してくれる港なのです!!!
その場所の名前は、プンタ デ ミタ( Punta de Mita)。
プンタ デ ミタからマリエタス諸島への距離は約8キロ、スピードボートで約20分の距離にあります。
プエルト・バヤルタから船に乗っている時間と比べると半分以下!
船が苦手な方は、よくよく検討してもらえればと思います。
プエルト・バヤルタからプンタ デ ミタまでの所要時間は、車で1時間弱です。
ですので、マリエタス諸島へ到着するまでの総合時間的にはたいして変わりはありません。
陸路でマリエタス諸島に近づいてから船に乗るのか、しょっぱなから船で向かうかだけの違いになりますので、お好きな方を選んでください。
ただし、船酔いしやすい人は、プンタ デ ミタから向かう事を心から強くおススメします!!
Moose(ムース)が申し込んだ現地ツアーに興味がある方は、Riviera Mita Toursのサイトを確認してください。
ヒドゥンビーチ上陸ツアー参加にあたって絶対知っておいてほしいこと
ヒドゥンビーチへの上陸ツアーに参加する予定の方全員に、絶対知っておいてもらいたい点をお伝えします。
まず1点目、12歳以下の方は、島への上陸はできません。
理由は、かなり危ないからです!!(ツアーの注意事項にも書いてあります。)
続けて2点目、妊婦さんは極力参加を控えてもらっているという事。
理由は1つ目と同じで危ないという事と、かなり激しい運動になるので、赤ちゃんとお母さんの安全が保障できないという点からです。
3つ目は、ドローン撮影禁止。
「鳥の楽園」というだけあって、やはり鳥の生活を乱す行為や刺激を与えるような行為は禁止されています。
SNSやYouTubeにあげたいと思っている方には少し残念なお知らせですが、マナーをしっかり守って鳥の生態を尊重して下さい。
最後は、ビーチへの行き方の所でもお伝えした様に、ヒドゥンビーチへは絶対行けると約束されていないという点です。
重複する点もありますが、おさらいとして以上の4点をおさえておいて下さい。
シンプルだけど最も重要で必要不可欠な事
上記で記した4つ以外に、必要不可欠な条件がもう1つあります。
それは、泳ぐ事に対して自信がある事です。
このビーチ、「隠れたビーチ」と言う名前だけあって、到達するのに数十メートル船から自力で泳いで行かなければいけません。
さらに、洞窟を泳ぎながらくぐり抜けるのですが、海面と岩肌の距離がかなり近いし狭い!!
さらに、波が荒いのでかな~り引き戻されたりして、なかなか思う様に前に進みません。
天候によってはこのように、波の満ち引きで入り口が完全に海水で塞がってしまいます。
Moose(ムース)が訪れた日は嵐の前日だったため(後で知りました)、かなり波が高く海が荒れていました。
行けない予感がプンプンしていたのですが、ガイドさん強行突破に踏み切りました。
ぶっちゃけ、溺れかけました!!
小さい頃からスイミングスクールに通っていた事もあり、水泳は得意な方で、泳ぐ事に不安はなかったのですが、甘かったです!!
かなりヒヤッとしました。
ヒドゥンビーチ到着までの波乱万丈の詳しいリポートはこちらの記事からどうぞ。
これからこの「隠れたビーチ」を訪れたいと思っている方は、泳ぐことが出来ないと絶対に行けないという事を肝に銘じておいて下さい。
ヒドゥンビーチで知っておかないといけない事10か条
- 許可されたツアーのボートでしか行くことが出来ない
- ツアーはビーチ上陸プランと未上陸プランがある
- 1日限定116人しか行けない
- 早い者勝ち
- ツアーに参加しても絶対に行けるとは限らない
- ドローン禁止
- 12歳以下、妊婦さんは行けない
- 泳げないと無理
- 酔い止め必須
- ツアーは決して安くない
ちょっと長くなりましたが、メキシコのマリエタス諸島にあるヒドゥンビーチへの行き方について理解していただけましたか?
絶対ツアーに参加しなければ行くことができない島ですが、行く価値はかなりあります!
ツアーについての情報がネットにあまりなかったので、この記事が情報不足で困っている人の役にたてば嬉しいです。
現地でツアーを探してもいいですし、日本から事前に予約しておいてもいいですね。