- スコットランドの料理は美味しいの?
- イギリスの料理と何が違うの?
今回は、そんな疑問にお答えする記事を用意しました。
まず、スコットランドはイギリス(正式名称 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland)を構成している4か国の1つだという認識が必要です。
「イングランド」「スコットランド」「ウェールズ」「北アイルランド」の4国で構成される連合王国の総称をイギリスと呼ぶのですが、私たち日本人は「イギリス」=「イングランド」と認識しています。
なので、スコットランド料理とイギリス料理がどう違うかという質問の答えは、イギリスという4か国の連合王国のうちの1か国の料理で、似ているところもあるが独立した別々の国の料理というのが正しいのです。
色々複雑な歴史的背景もあるので、スコットランド人は「イギリス人」と一括りにされるのを毛嫌いします。
なので、今回の旅でMoose(ムース)はスコットランド料理にはどんなものがあって日本人の口に合って美味しいのかどうかを現地に行ってしっかりと味わってきました。
皆さまにスコットランド料理とはどんなものなのか、分かりやすく詳しくお伝えできるような記事にしましたので、ぜひ最後までお付き合いください。
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それでは早速スコットランドの料理を紹介していきます。
ハギス(Haggis)
好き嫌いがハッキリ分かれる伝統料理ハギスは、スコットランド内でも賛否両論の1品です。
羊の心臓・肝臓・肺・血管などの臓物をミンチにして使用し、そこに玉ねぎ・オートミール・スパイス・塩・羊の脂等で味付けをします。
ここでさらに臓物追加(笑)
全ての臓物を羊の胃につめて茹でた料理という事で、茹でた胃に詰まった状態で提供されるので見た目もあまりよろしくない料理です。
上記の写真はハギスタワーと言って見かけがちょっとオシャレなハギス料理です。
1番下にハギスがあってその上にターニップ(カブの一種)とマッシュポテトとなっています。
一般的にハギスはマッシュポテトと提供されたり、朝食の1部として出されます。
スコットランド人でも口に合う人と合わない人がいるので、日本でいう納豆のような存在でしょうか?
ハギスは、腸の中身をそのまま崩して丸めて揚げたもの(ハギス・ボンボン)やハンバーガーのパティになっていたりと色々な形状で出てきます。
茹でてダメなら焼いたり揚げたりしてみなって感じですかね。
また、ベジタリアン対応のハギスも最近では人気です。
味付けはそのままで、臓物が一切入っていないハギスは果たしてハギスと呼んでいいのかはそっとしておきたいと思います(笑)
ブラック・プディング(Black Pudding)
臓物続きですが、こちらは豚(もしくは牛)の血を混ぜたソーセージです。
写真で見ると、真ん中あたりの真っ黒の物体がそうです(笑)
こちらはポルトガルやドイツ、スウェーデンでも食べられているソーセージで、呼び方もそれぞれの国によって違います。
他国では結構ストレートにblood sausage(血のソーセージ)って呼ばれてたりするので、スコットランドではかなりオブラートに包んだ感じがしますね(笑)
ブラック・プディングは、スコットランドの定番朝食に必ず出てくる1品です。
食べた感想は、結構ぱさぱさしていてソーセージと聞いて期待するあのジューシーさが無かったです。
たまたまMoose(ムース)が食べたブラック・プディングがそうだっただけかもしれませんが、個人的には全然食べれちゃう料理でした。
人によっては、このモサモサぱさぱさ感が不味いと思う原因になるのではと考察しましたが、好みの問題なのでここはぜひ皆様に実食して判断してもらうのが1番ではないでしょうか。
現地でぜひ1度、ブラック・プディングをご賞味くださいませ。
ポテト・スコーン / タティ・スコーン(Potato Scones / Tattie Scones)
ポテト・スコーン / タティ・スコーンとは、潰したジャガイモに小麦粉を混ぜて、バターでこんがり焼いたジャガイモパンケーキの事です。
こちらも、先ほど紹介したブラック・プディングと共にスコットランドの定番朝食に出てくる1品。
上記写真で見ると、三角形の形をした薄いパンケーキのようなのがポテト・スコーン / タティ・スコーンです。
スコーンって名前なので、ケンタッキーのビスケットのようにもっとふっくらとしたボリュームのある姿を想像していました。
なので、実際に見てみて想像していた物との違いにビックリしました。
ジャガイモパンケーキと説明しましたが、甘いシロップをかけて食べる方のパンケーキではなかったですね。
ベイクド・ビーンズやベーコンを上に乗せて一緒に食べたりする方が合ってます。
Moose(ムース)はトーストの代わりにこのポテト・スコーン / タティ・スコーンを数枚、ペロリと食べちゃいましたよ。
レストランによっては、チーズやハーブなど様々にアレンジしたポテト・スコーンが楽しめますよ。
フル・スコティッシュ・ブレックファースト(Full Scottish Breakfast)
スコティッシュ・ブレックファーストよりも、イングリッシュ・ブレックファーストの方が聞き馴染み深いかもしれませんね。
かなりの量がある朝食定番メニューで、日本でいう漬物・ごはん・味噌汁・焼き鮭・玉子焼きといった朝定食という感じです。
イングリッシュ・ブレックファーストとの最大の違いは、上記で説明したブラック・プディングが乗っかってくることです。
- 卵2個(基本、目玉焼きやスクランブルエッグなどレストランでは好きなように調理してくれます。)
- ベイクド・ビーンズ(煮豆)
- 焼きトマト
- 焼きマッシュルーム
- ベーコン
- ソーセージ
- ブラック・プディング
- トースト
- ポテト・スコーン
写真では卵にトーストとベイクド・ビーンズ、マッシュルームが抜けていますが、Moose(ムース)が自分の小皿に取らなかっただけで、テーブルには提供されていましたよ。
一皿でかなりお腹いっぱいになるので、朝食をしっかり食べたい派の方にはおすすめです。
スコッチ・パイ(Scotch Pies)
羊のひき肉をハーブで炒めて詰めたパイ。
スナック感覚でも食べられるし、スープと一緒に注文して食事にもできちゃう優れものです。
お店によっては色々なひき肉や種類があり、温めても冷めても美味しいパイです。
色々なところで見かけるので、小腹が空いたときなどにぜひ試してみてください。
このコンボはフットボール・パイと呼ばれていて、フットボールに欠かせない定番スナックとなっています。
フットボールシーズンにスコットランドを訪れた方はぜひ挑戦してみてください。
スコッチ・ブロス(Scotch Broth)
コンソメベースのスープで、大麦・人参・玉ねぎ・ジャガイモ・羊の肉をコトコト煮込んだスープです。
ディナーロールという、給食のパンの小っちゃいバージョンが添えられて提供されます。
スコットランドのほっこりメニューとして親しまれています。
ニープ・アンド・トティー(Neeps and Totties)
ニープ・アンド・トティーとは、根菜のターニップとジャガイモを茹でて潰したものです。
ターニップはヨーロッパ原産のカブで日本名は西洋カブですが、あまり見かけないですよね。
基本はハギスのサイドディッシュとして提供されます。
写真はハギス・タワーという料理で、ハギスの上にニープ・アンド・トティーが乗っかっている料理です。
そこでの宴で提供される料理をバーンズ・サパー(Burns Supper)と呼び、スコットランド伝統料理のコッカリーキスープやハギスと共にニープ・アンド・トティーが食卓に並びます。
写真のように少量ではなく、ガッツリとした量が盛られて出てきますよ。
同じ料理でも、提供する日や量で色々な名前が付いて紛らわしいですが、ニープ・アンド・トティーは、根菜のターニップとジャガイモを茹でて潰したものというのは変わりませんので覚えておいてくださいね。
ミンス・アンド・トティー(Mince and Totties)
ひき肉炒めとジャガイモというストレートな料理。
玉ねぎや人参などの野菜とひき肉をウスターソースで炒めて、マッシュポテトを添えて提供されます。
スコットランドでは、根菜が食卓に上がる率が高いように感じました。
野菜と言えば、カブ(ターニップ)か人参・ジャガイモ・サツマイモ(笑)
シンプルなメニューが多いので、飽きてしまうのは避けられません。
恐らく、イギリス料理が不味いと言われてしまうのは、「飽き」が関係しているのではないかと勝手に推測しております。
実際にMoose(ムース)も、7日目には結構飽きてしまい、アジア圏の食事が恋しく感じましたしね(笑)
何事もバランスって大事です。
ストービー(Stovies)
前菜としてよく提供されますが、もともとは残り物のローストされたお肉を再活用する煮込み料理です。
低温調理したお肉・ジャガイモ・玉ねぎ・ソーセージ・スパイスを1つの鍋で調理します。
Moose(ムース)が食べたストービーは、ビーフシチューのような感じですごく美味しかったです。
カレン・スキンク(Cullen Skink)
カレン・スキンクとは、燻製の鱈(タラ)とジャガイモのスープの事です。
スコットランド北部の小さな町カレン(Cullen)が起源のスープ。
鱈チャウダーと言った方がピンとくるかもしれませんね。
ジャガイモ・クリーム・玉ねぎに燻製の鱈が入っています。
燻製が入っているだけあって、結構スモーキーな味がするスープでしたよ。
Moose(ムース)は10月末にスコットランドを訪れたのですが、外は寒くなっていたので温かいスープが沁みてほっこりしました。
スコットランド料理の中でもトップ5に入るくらい美味しいと思ったスープですので、ぜひ皆様もご賞味ください。
アーブロース・スモーキー(Arbroath Smokies)
1800年代に発明された方法で、鱈を1晩塩漬けしスモーカーで調理します。
しっかりいぶさないといけないので、火力と煙がこの調理方法のポイントとなってきます。
今回の旅でMoose(ムース)はこのアーブロース・スモーキーの1品料理に出くわしませんでしたが、恐らくカレン・スキンクの燻製の鱈として使用しているんじゃないかなと勝手に思っています。
フィッシュ・サパー(Fish Supper)
フィッシュ・サパーと聞いて何かと思いますが、スコットランドでのフィッシュアンドチップスの事です。
スコットランドのフィッシュアンドチップス専門店では、「スコティッシュ・チッピー(Scottish chippies)」と呼ばれることが多いです。
フライドポテトが要らない方は、「シングル(single)」と言えばOK。
多めのお魚がいい人は「マックル(muckle)」と伝えましょう。
スコットランド独特だなと感じたのは、グリーンピースのマッシュが付け合わせとして出てくる事です。
北米スタイルのフィッシュアンドチップスに慣れていると、コールスローサラダなのでなんだか少し変な感じがしました。
揚げ物と一緒に、ぜひスコットランドでしか飲めないIru-Bru(スコットランドの炭酸飲料)を一緒にどうぞ。
コッカリーキ(Cock-a-Leekie)
名前が面白い料理ですが、スコットランドの伝統的なスープです。
鶏とネギ、プルーンを入れて煮込むコンソメベースのスープで、ほっこりする事間違いなし。
この料理の名前はスープの材料、コック(鶏)とリーキ(ネギ)というそのままなネーミングなんですね。
今回の旅でMoose(ムース)はコッカリーキスープに出会う事が出来なかったので、結構残念です。
ショートブレッド(Shortbread)
中世レシピから進化したのがスコットランドのショートブレッド。
パン生地の残りをオーブンで乾燥させて作るビスケットパンの酵母をバターに変えたのがショートブレッドの始まりと言われています。
形には、棒状のフィンガーやら円形を放射線状に切り分けたペチコートテールなど様々な種類があります。
お土産に可愛いのは、ハイランド地方の牛・ハイランドカウやスコティッシュ・ドッグをかたどったものがスコットランドっぽくて気分があがりますね。
1700年代からスコットランド人に愛され続けている伝統菓子の1つです。
バノック(Bannock)
オートミールまたは大麦を使用して鉄板の上で焼かれるパンで、サイズはスコーンと同じくらいの厚みです。
オートミールの代わりに、小麦を使う事もあります。
ジャムやバターと一緒に提供されます。
タブレット(Tablet)
タブレットは、砂糖・コンデンスミルク・バターというカロリー爆弾なスイーツです。
ファッジのように甘いですが、そこまで柔らかくありません。
単品で頂くスイーツですが、アイスクリームの中に入っていたりもします。
味はバニラやウィスキーが多いですね。
色々なタブレットがあるので、皆さまのお気に入りの味を探してみてはいかがでしょうか?
スコティッシュ・ポリッジ(Scottish Porridge)
ポリッジと聞くとお粥?と思いますが、日本の米で作るお粥ではなくてオートミールを使います。
中世から親しまれている1品なので、もはや伝統料理ですね。
スコティッシュ・ポリッジは、塩か少量のウイスキーを添えて提供されるのがスコットランド流。
さすがスコッチウイスキーの産地。
ちなみにイングランドでは、このポリッジは砂糖と牛乳で甘くしたものが一般的です。
クラナカン(Cranachan)
スコッチウィスキーにオートミールを浸し、ホイップクリーム・蜂蜜・ラズベリーで仕上げたデザートです。
とってもクリーミーで、今回の旅で一番ハマった料理の1つにカウントして間違いなし。
こちらのお店では、ショートブレッドが一緒に添えられてきました。
クリームをショートブレッドに乗せて食べると、すごく美味しかったです。
スコッチの味がすごくするのかと思いましたが、あまりというか全く感じませんでした。
なので、スコッチが苦手な方でも楽しんでもらえるデザートです。
実はMoose(ムース)、このデザートになかなか巡り合う事ができませんでした。
グラスゴウ・アイラ島・エディンバラを旅したのですが、なぜか沢山のレストランがメニューからこのクラナカンを外していたのです。
時期的なものなのでしょうか?
どうしても食べたかった1品だったので、必死に現地で調べまくってやっとクラナカンというこのデザートの名前をモジったお店Cranachanで食べることができました。
もし、皆様もMoose(ムース)と同じように探す羽目になったら、最終手段でぜひこちらのお店を頼ってください(笑)
セルカール・バノック(Selkirk Bannock )
スコットランドで食べられているレーズンパンのようなしっとりとしたケーキは、バターをたっぷり塗って紅茶と共に頂きたい1品です。
小麦粉の代わりに挽いたオーツ麦を使うことも多く、イーストがないのでふわふわというよりどっしりとした仕上がりが特徴。
日持ちもするので、スーパーで買ってお土産にしてもいいですね。
スティッキー・トフィー・プディング(Sticky Toffee Pudding)
ふんわりスポンジケーキにデーツ・トティーソース、さらにバニラカスタードかアイスクリームを添えて頂くスコットランドのデザート。
Moose(ムース)が食べたスティッキー・トフィー・プディングはバニラカスタードソース添えでしたが、添えてるというよりスープのような勢いでした(笑)
温かいカスタードソーススープ(笑)は、しっとりしたスポンジと相性抜群でした。
甘い物が好きな方はぜひ挑戦してみてください。
ダンディー・ケーキ(Dundee Cake)
アーモンド・ウィスキー・カランツ(スグリの実)・サルタナ(種無し干しぶどう)がいい味だしてくれるケーキです。
残念ながら、今回の旅でMoose(ムース)は出会うことができませんでした。
ウィスキーの入ったケーキだから、美味しいの間違いないので残念です。
ディープ・フライド・マーズバー(Deep Fried Mars Bars)
ディープ・フライド・マーズバー(Deep Fried Mars Bars)は、1992年にジョン・デビットが発明した1品。
マーズバーというヨーロッパで有名なチョコ菓子を衣をつけて揚げてあります。
伝統料理とはかけ離れていますが、人気が出てしまったので名物化しているそうです。
今回の旅でMoose(ムース)は食べませんでしたが、とりあえずなんでも揚げたら美味しいだろうというのは世界共通で間違いないと思います(笑)
アイラ島の生牡蠣、ボウモア添え
スコットランドならではと申しますが、アイラ島で採れる磯の香りたっぷりの生牡蠣に、アイラ島産スコッチウィスキーのボウモアをかけて食べる贅沢な1品。
スコッチウィスキーの聖地とも呼ばれるアイラ島で作られるスコッチウィスキーは、スモーキーでピートの独特な香りと風味の強いウィスキーとして有名です。
そんなアイラ島のスコッチウィスキーと生牡蠣の相性は抜群。
村上春樹氏の本にも登場している食べ方で、ウィスキー好きにはたまらない夢の競演です。
彼の著書「もしも僕らのことばがウィスキーであったなら」では、ボウモアを使っているのでMoose(ムース)もボウモアで頂くことにしました。
贅沢にも、ボウモアをどばどばと牡蠣にかける背徳感。
アイラ島の牡蠣は身がかなり大きくて、じゅるっと一口で口に入れるのは至難の業でした。
でも、ウィスキーのスモーキーさに生牡蠣の甘味と磯の香りが口いっぱいに広がって、何とも言えない極上の味がしました。
「うまい酒は旅をしない」と彼の本にありましたが、その土地で採れる食材や作られる酒をその土地で味わうからこそ堪能できる味があるというのを実体験しちゃいました。
皆さまにもぜひ、その土地でしか味わえない料理を楽しんで頂きたいです。
スコットランドの料理はこれで予習完璧
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
あまり知られていないスコットランド料理ですが、これで予習は完璧ですね。
イングランド料理と似ている料理が多々あるのでよく間違えられたりしますが、スコットランドを訪れた際にはぜひ、本場スコットランドでしか食べれない1品を味わってくださいね。
皆さまの旅が少しでも楽しくなるお手伝いが出来れば嬉しいです。